今年の研修旅行は、飛騨高山の家具メーカーを見学するもので、岐阜県に行って来ました。
秋本番の季節に入り、飛騨高山に向かうバスから見える景色は、赤や黄色に色づいた紅葉真っ盛りの山間と深緑色の川の色が、融合していて、とても美しい風景でした。
最初に見学に訪れたのは、飛騨・高山の家具として世界にも視野を向けて、活動を広げていることで、国内はもとより、海外からも高く評価されている、柏木工株式会社です。
伝統的に受け継がれて来た形やデザインを崩さずに、先端の技術開発によって完成された家具造りだからこそ、魅了されます。曲げの技術を駆使した背板の美しいフォルムの椅子やオークやウォールナットと贅沢な天然素材にこだわりながら、気品に満ちたダイニングテーブルは、何十年経っても飽きのこない商品だなと買いたくなりました。
いつか自分へのご褒美に新調したいなっ!!
まず最初に工場見学を案内していただきました。木取りの部分からの順に見せていただきました。
例えば、椅子造りに於いても、材種によって、それぞれ木目に違いがあるので、どの方向で、木取りをするのかも、重要なポイントになって来るようです。
木取りから、接着、加工、曲木、加工までの工程で、椅子やテーブルのパーツ部門と、そこからはストアと呼ばれる、注文を受けてから必要なパーツを組み合わせて造り上げていく方式の受注生産体制を取られていて、受注を受けると、約2週間で出荷出来る体制で取り組まれているそうです。
完成された椅子は、美しい櫛型の背もたれや厚い座板の部分が傾斜になっていて、長時間座っていても、苦にならない程、身体にマッチした心地い座り良さでした。
お昼のランチタイムは、高山市内の風情豊かな町並みにある固民家風の早川という老舗のお店でのランチタイム、家具造り見学と同じくらいに楽しみにしていた甲斐あって、飛騨牛のフルコースに胃も心も大満足でした。
午後からは、北欧名作家具のライセンス生産をしている家具メーカー株式会社キタニさんにお邪魔しました。株式会社キタニさんは、フィンユールをはじめとした北欧のデザイナーやその親族とパートナーシップを結び、フィンユール誕生100周年にあたる2012年に自社の敷地内に当時と全く同じ建物「高山フィンユール邸」を設立したそうです。近年の人気の一つでもある北欧風住宅の建築の魅力は、外部と室内空間との連動性や、空間にマッチしたインテリアや、開口の大きな窓から飛び込んでくる自然の風景など、室内外の連動を細かく計算されたヨーロッパの建築家の巧みな技が織り込まれた自然と共存する建築物でした。
殆どが、手加工で、お客様の顔を思い浮かべながら、一つ一つ熟年の技と丹精込められた仕上げとなっていて、何十年と愛され続ける家具に説得力がありました。
北欧では、家具を次の世代に受け継いで使われることが多いとのことで、キタニの家具も同じように末長く使って欲しいとの職人の思いが、家具に現れているようです。
★写真集